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出産育児一時金とは?申請方法や支払制度について

母と父になる。人生で最もうれしいことの1つでもある「出産と育児」ですが、思いがけず出費を強いられることがあるのも事実です。

そうした「出産と育児」での父母の負担をケアするための制度が「出産育児一時金」制度。健康保険の被保険者あるいは被扶養者で一定の条件を満たせば支給されるこのお金は、健やかな出産を迎えるためのサポートの役割を果たしてくれます。

そこで、今回はあなたの幸せな出産の一助となるよう、この「出産育児一時金」にまつわる疑問とその回答をご紹介します。

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出産育児一時金って何?

出産育児一時金とは

通常、健康保険に加入している人が病院などで診察を受けた場合、保険診療として医療給付の対象となります。いわゆる医療費の3割負担といわれるものがこれに当たります。(70歳以下の被保険者の場合)

それに対して、正常な妊娠やそれに伴う出産は「病気・疾病」には該当しないため、妊婦の定期健診や正常分娩は自費診療となります。(帝王切開などの場合は保険適用) したがって、そうした一出産に関しての一切の費用は全て自己負担しなくてはならない原則となっています。

昨今の少子化対策の一環として居住地の自治体によっては妊婦検診の費用に対しての独自の助成がある場合もありますが、そうした制度をフルに活用したとしてもある程度の出費は免れません。

そこでそうした出産・育児にまつわる自己負担を軽減するために設けられている制度が「出産・育児一時金」なのです。

出産育児一時金を受け取れる条件

これから子供を迎える妊婦やそのパートナーにとっての一助となるこの「出産・育児一時金」ですが、この制度を利用できる人=受給資格のある人は「健康保険の被保険者、または被扶養者で、妊娠4カ月(85日)以上で出産した人」と定められています。

また、「国民健康保険」に加入している場合は、「国民健康保険」から「出産育児一時金」が給付されます。この出産育児一時金は既婚・未婚を問わず加入者であれば等しく妊婦が受けられる支給です。

出産育児一時金の申請方法

この出産育児一時金を受け取るためには申請手続きが必要です。基本的には、健康保険加入者は勤務先の総務などを介して健康保険組合に申請し、国民健康保険加入者は居住地の市区町村の保険窓口での申請手続きとなります。

ただし、健康保険の被保険者として1年以上加入していた人が国民健康保険に加入して6カ月以内に出産する場合においては、勤めていた時に加入していた健康保険に出産育児一時金の支給を申請することができます。もちろんその場合は国保から出産育児一時金の支給はありません。

この場合、退職前の会社からの一時金と国保の一時金、支給金額そのものには違いはないものの、健康保険によっては付加金が上乗せされる場合もありますので、両方の支給条件を満たしていて、どちらに申請するかは自分次第の場合、より有利な方に申請したほうがいいでしょう。

そのため、出産を控えて退職する場合は、前もって自分の会社の健康保険制度に付加金制度があるかどうかを調べておくことをおすすめします。

また、退職から6カ月を過ぎた出産の場合は

  • 国保の加入者として「出産育児一時金」の支給を受ける
  • 健保加入者の家族の被扶養者として「家族出産育児一時金」の支給を受ける

のどちらか1つの方法での支給を受けることになります。いずれを選択しても支給金額に変わりはありませんが、この2つの方法を同時に申請することはできません。あらかじめどちらを選択するか出産前に決めておいた方がいいでしょう。

出産育児一時金の申請に必要な書類は

「出産育児一時金」の申請にはいくつか必要な書類があります。基本的には「出産育児一時金申請書」「保険証」「母子手帳」などの提示、もしくは提出となりますが、この後でご説明する支払い方法によっては「産科医療保障制度登録証」の提示や、「直接支払制度の利用に合意する文書」などが必要になる場合がありますのでご注意下さい。

出産育児一時金の支払い方法

この「出産育児一時金」の支払い方法には大きく分けて「直接支払い制度」「受取代理制度」「産後申請制度」の3つの支払い方法があります。それぞれ、申請の仕方や支払われる形式が異なりますので、自分の場合はどれが該当するかをよく検討するようにしましょう。

①直接支払制度

直接支払制度とは、出産する前に被保険者と医療機関(産科医院など)が『出産育児一時金の支給申請及び受取りに係る契約』を結ぶことによって、その医療機関が被保険者に代わって国保や健保に「出産育児一時金」の申請を行うことができる制度のことです。

この手続きをとることによって、医療機関に「出産育児一時金」の支給金が直接支払われることになります。

したがって被保険者は実際にかかった出産費用のうち、「出産育児一時金」を除いた金額を医療機関に支払えば良いことになり、退院の際などにまとまった現金での支払いを余儀なくされる必要がなくなります。

現行の制度では「出産育児一時金」の支給額は一児につき42万円(産科医療補償制度の対象外となる出産の場合は40.4万円(平成26年12月31日以前の出産は39万円))ですので、実際に出産にかかった費用が「出産育児一時金」の支給額より少ない場合は、その差額が被保険者に支給されます。

その場合は「健康保険出産育児一時金内払金支払依頼書・差額申請書」を健保に提出しなくてはいけません。

国保の場合は、居住地の市区町村の役所の窓口で、「保険証」や「世帯主の口座番号のわかるもの」「印鑑」「医療機関から交付される出産費用の領収(明細)書」等の必要書類を指示されますので、それにしたがって差額の給付を受けるようにしましょう。

②受取代理制度

①の「直接支払制度」に対して、「受取代理制度」とは、被保険者(被扶養者)が出産する医療機関等を代理人と定め、出産育児一時金の受け取りを医療機関等に委任する制度です。

この制度を利用することにより、直接支払制度を導入していない小規模な医療機関等で出産する被保険者(被扶養者)においても、出産費用と出産育児一時金との差額だけを医療機関等に支払うことになりました。

ただし、この「受取代理制度」を利用できる医療機関は、年間の取り扱い分娩数が100件以下の診療所や助産所などで、厚生労働省にその旨を届出を行っている医療機関に限られます。

さらに、この制度を利用するには

  • 受取代理制度用の申請書に受け取り代理人となる医師の証明を受ける
  • 出産予定日まで2カ月以降に健保や居住地の市区町村の国保窓口へ申請する

といった事前申請が必要となるため注意が必要です。

③産後申請方式

医療機関が「出産育児一時金」を直接受け取る方法「直接支払制度」や「受取代理制度」を利用していない場合に、世帯主の口座、もしくは被保険者の口座への振込みにより受け取る方法が「産後申請方式」です。

この場合出産後に、

  •  出産費用の領収・明細書
  • 病院等から交付される直接支払制度を利用していないことを証明する書類、もしくは直接支払制度を利用しないことと健保組合名が記載された合意文書
    (領収・明細書にその旨の記載がある場合は必要ありません。)
  •   母子健康手帳等出産を証明できる書類(死産・流産の場合は医師の証明書)

などと保険証を準備の上、健保、もしくは居住地の市区町村の国保窓口で申請手続きをとります。

この「産後申請方式」の場合は、退院時に出産にかかった全費用を現金でいったん支払う必要がある点に注意が必要です。

「出産育児一時金」に関するよくある疑問

①退職しても出産育児一時金はもらえる?

健保の資格を喪失する日の前日(退職日)までに健保の被保険者としての期間が継続して1年以上ある場合、その資格喪失日から6カ月以内に出産した場合は、「出産育児一時金」の支給を受けることができます。

資格喪失後に再就職等をせず、パートナーの健保の被扶養者などになった場合で、出産日が資格喪失日から6カ月以内の場合は、妊産婦自身の資格喪失後の「出産育児一時金」またはパートナーの健保からの「家族出産育児一時金」のどちらかを選択して受けることとなりますが、この場合、二重に受けることはできません。

ただしパートナーが退職・離職等で健保の被保険者の資格を喪失した場合は、その喪失以後に、パートナーの被扶養者だった家族が出産しても、「家族出産育児一時金」の支給を受けることはできません。

こうした空白期間を作らないためにも健保の被保険者、もしくは被扶養者資格を喪失した場合は、すみやかに次の勤務先の健保に加入するか、居住地の市区町村で国保に加入するかの手続きをとってください。

②産科医療補償制度とは?

「出産育児一時金」の申請の際によく耳にする「産科医療補償制度」。この「産科医療補償制度」とは医療機関が加入する制度のことです。

この制度に加入している医療機関で制度対象となる出産をした時に万が一、分娩時に何らかの理由により生まれてきたお子さんなどが重度の脳性まひなどになった際に、子どもと家族の経済的負担を補償するために設けられた制度です。

そのため、産科医療保障制度に加入していない医療機関で出産した場合は、支給額が39万円(平成27年1月1日以降は40.4万円)となっています。

③申請をしていなかった場合、後からもらえる?

「里帰り出産などで、バタバタしていてうっかり「産後申請方式」での支給申請を忘れていたけど、どうしよう」という人も中にはいるかもしれません。

実は出産育児一時金の支給申請についての時効は、出産した日の翌日から数えて2年間と定められていますので、万が一「忘れていた」という人は一日も早い手続きが必要です。

④海外で出産した場合でも「出産育児一時金」は支給される?

まず国民健康保険の場合、支給対象となるのは一時的な渡航中の出産等であること。出産した本人に国内の住所があること。出産した日の時点で国内住所地の市区町村で国民健康保険に加入していることが支給の要件となります。

さらに海外での出産時の申請の際の必要書類の目安は、日本国内で出産した場合に必要とされる、医師の証明又は出生届による確認と同等な証明です。

具体的には、

  • 出産された現地の病院での医師の証明書(出生証明書や死産証明書)
  • 領事館に届けを行なった際の書類等

となります。なお海外で出産した場合の出生証明書や死産証明書などが外国語で記載されている場合には、翻訳文を添付することが求められます。

⑤双子であっても「出産育児一時金」は定額だけ?

「出産育児一時金」は子供1人につき、42万円(産科医療補償制度の対象外となる出産の場合は40.4万円(平成26年12月31日以前の出産は39万円))です。したがって双子の場合はこの支給額の2倍、3つ子の場合は3倍となります。

⑥退職後すぐに転職した場合、どちらの健保に申請したらいいの?

退職前に継続して1年以上健康保険の被保険者であった人については、 資格を失って(退職して)6ヵ月以内に出産した場合、以前に加入していた健康保険組合等からも給付を受けることができます。

これに該当する場合は、加入していた健康保険組合等から『資格喪失後の給付としての出産育児一時金支給』を受けるか、 または、現職の健康保険組合の『出産育児一時金』 のどちらか一方のみを選択して給付を受けてください。 (二重給付は受けられません)

現在の職場の健康保険組合からの給付を受ける場合は、以前加入していた健康保険組合より『不支給証明書』の交付を受ける必要がある場合もありますので、転職と遠隔地への転居などが伴っている場合は、万が一のために前職の健康保険窓口の住所や電話番号等は記録しておいたほうが後々便利です。

⑦自宅出産でも「出産育児一時金」の支給はもらえる?

自宅での出産を選択した場合でも、医師や助産師などの立会いの下に出産した場合は、その医師らが発行する「出生証明書」や分娩費用などの「領収書・明細書」などの必要書類を用意すれば、「出産育児一時金」の申請を行うことができます。

まとめ

新たな命の誕生という家族にとって忘れられない一大イベントである「出産」。その際の費用負担の懸念を軽減してくれるのがこの「出産育児一時金」制度です。

せっかく母子ともに健やかにすごせるために設けられたこの制度、ぜひうまく活用するようにしてくださいね。


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