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離婚協議書とは?公正証書との違いは?

離婚が決まった!というあなた。でも、すぐに離婚届を出して大丈夫ですか? お金に関する取り決め、ちゃんとしましたか?

離婚協議書とは、慰謝料や養育費、支払われていない婚姻費用(生活費)の請求や財産分与など、離婚に関して生じるお金の問題に関しての契約書のことを言います。言葉だけ聞くと難しそうに思えますが、つくっておくと離婚後の生活をスムーズにスタートさせることができるんですよ。

今回は離婚協議書とはどんなものか、またどのように作ればいいのかや、離婚協議書を公正証書で作る場合についてご紹介します。

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離婚協議書

普通、離婚をする場合は、夫婦で話し合って離婚届を書く……というのが多いと思います。しかし、離婚届には結婚生活中に二人で買った家電や車をどちらのものにするかなどを書く欄はありません。

離婚届を役所に出してしまえば二人は赤の他人になってしまいますが、財産をどう分けるかや、もし彼が不倫をしていた場合は彼への慰謝料請求、またお子さんのいる場合は養育費の請求など、決めておかなくてはいけないことがたくさんあります。

そんなときに役立つのが「離婚協議書」なんです。

協議離婚とは

離婚には、協議離婚と、裁判上の離婚の2種類があります。協議離婚とは、二人で話し合って離婚を決めることを言います。これに対して、裁判上の離婚とは、裁判をすることで(どちらかが離婚に納得していなくても)離婚が確定する離婚方法を言います。

裁判上の離婚の場合には、裁判の中でお金や家電、家などをどう分けるかや、慰謝料、養育費などのお金に関しての問題を一緒に解決してしまいます。しかし、協議離婚となるとすべて二人で話し合って決めなくてはいけないんです。

そのため、あとで揉め事が起きないよう、話し合った内容をきちんと「契約」として残しておく必要があります。この二人の取り決めを契約として残す契約書が「離婚協議書」です。

離婚協議書とは

「そうはいっても、離婚協議書なんて難しそうなものをつくるのはちょっと……」と思われるかもしれません。たしかに、日本語としては難しいですが、内容としては「離婚に関する二人の確認書」くらいに考えて大丈夫です。

たとえば相手が、財産分与や慰謝料について「月5万ずつ分割で2年間払う」と言った場合に、口約束だけだとどうなるでしょうか。おそらく、あとで「そんなことは言ってない」と言い出すでしょう。

また、あなたも、どんな約束をしたか忘れてしまうかもしれません。もらえるはずのお金を貰い損ねるのはとても悔しいですよね。そういったことを防止するために離婚協議書は役立ちます。

ほかにも、相手が「俺も悪いところがあったし、家も家電も全部あげるよ」と言って家を出て行ったとしましょう。この場合、口約束だけにしておくと、後から相手や彼が雇った弁護士から連絡が来て「家を明渡せ」とか「家電を返せ、返せないなら金を払え」などと請求してくることもあるんです。

そういった後々のトラブルを予防するためにも離婚協議書を作っておくことは重要なんですよ。

作成手続き

書類作成

では、実際に離婚協議書を作るにはどうすればいいのでしょうか。自分で作る方法もあれば、専門家に作ってもらう方法もあります。順番に見ていきましょう。

作成方法

まず、離婚協議書にどのようなことを書くかを考えます。具体的には、離婚協議書に書いておかないと揉めそうなことを思い浮かべてください。

たとえば、結婚生活の中で増えた財産をどのように二人で分けるかという、財産分与の問題があります。他に、もし二人が別居している場合で、彼からあなたに生活費が払われていない場合は、婚姻費用の分担請求ができることもあります。

また、お子さんがいる場合には、どちらを親権者にするのかと、お子さんとの面会の頻度や方法を決める必要もあります。他にも、親権者でない方は、養育費をお子さんが何歳になるまでいくら払うかを決めなくてはいけません。

それ以外に、もしもどちらかが不倫していたりDVをしていた場合には、慰謝料についての取り決めも必要ですね。また、具体的なお金ではないのですが、年金(の記録)の按分割合の取り決めもしておくと良いでしょう。

年金記録の按分をすると、結婚生活中の彼の年金記録について、自分の年金記録にのせることで、将来貰える年金を増やすことが出来るんですよ。たとえば、あなたが国民年金の第3号被保険者なら、平成20年4月1日以降の結婚生活中の彼の厚生年金記録(標準報酬月額と標準賞与額)の半分をもらうことができます。

もしあなたが国民年金の第3号被保険者でない場合は、結婚生活中に彼に厚生年金の記録があって、按分割合を決めていれば、その按分割合で記録をわけることが出来ますよ。もっとも、あなたの方が彼より収入が多い場合は分割すると損してしまうので注意してくださいね。

自分で作成

書くべき内容が思い浮かんだら、それを箇条書きにして、順番に彼と話し合って決めていきましょう。お互いに自分で調べたり、離婚後の生活について考えながらしっかりと話し合うことが必要です。

一度一緒にまぜてしまったものを、完全に綺麗に分けるのはとても大変です。そのため、絶対に妥協できないポイントを一つ二つ決めて、あとはお互いに譲り合いながら根気よく決めていくことが必要になってきます。

離婚後に充実した新生活のスタートが切れるかどうかは、きれいに離婚を終わらせられるかどうかにかかっています。インターネットにひな形などもあるので、そういったものを参考にしながらまとめてみるのもおすすめです。

専門家に依頼

インターネットも見たけれど、話し合いはまとまらないし、自分たちで作るのはもう疲れた……。そんな場合は、専門家に依頼するのも有効な方法です。

離婚協議書は権利義務に関する書類であり、契約書です。契約書を他者に依頼する場合、依頼を受けられるのは行政書士か弁護士だけになります。それは、法律で、権利義務に関する書類の作成ができる職業が決まっているからです。

たまに、資格を持っていない人が離婚協議書の作成依頼を受けるという場合もありますが、これは違法ですし、せっかくお金を払ってもちゃんとした契約書になっていないケースもあります。

そのため、離婚協議書の作成を依頼する場合には、行政書士か弁護士に依頼しましょう。

この場合、もしも金額などで相手ともめていて、二人での話し合いでは決着がつかなさそうなときは、調停や裁判になる可能性があります。この場合、行政書士は裁判であなたの味方をしてくれません。なぜなら、行政書士は裁判で代理人になれないからです。

そのため、もしも二人の話し合いがまとまらず、長引いたりこじれそうな感じがしたときは、弁護士に離婚協議書の作成を依頼すると良いでしょう。そうすれば、こじれて調停になったときも、あなたの代わりに裁判所へ行ってくれたり、彼との交渉を代わりにしてくれたりしますよ。

離婚協議書に定めること

離婚協議書には、二人が離婚をすることを決めていることや、お子さんがいる場合は親権者がどちらになるか、養育費をどうするか、慰謝料や財産分与をどうするかを書きます。また、住宅ローンがある場合誰が払うかも書いておくと安心です。

他に、もしも生命保険の受取人が彼やあなたになっている場合は、受取人を変更するかどうかや、慰謝料の代わりに保険の受取人をあなたのままにするかなどを決めておく必要があります。

また、持ち家の場合は登記名義人をどちらにするかや、誰が所有することになるか、また単独で所有することについて書いておく必要があるでしょう。更に、のちのち余分なお金を請求されないように、両者が離婚協議書に書かれたもの以外、他に何も請求しないことを約束する言葉を書くのも重要です。

離婚協議書のサンプル一覧

離婚協議書のサンプルについては、インターネットで見ることが出来ます。

たとえば
離婚協議書の雛形と文例の見本 離婚協議書・離婚公正証書作成相談室
http://rikon-legal.net/agreement/template.html

離婚協議書の書き方とサンプル|離婚後に約束を守らせる方法|厳選 離婚弁護士ナビ
https://ricon-pro.com/columns/100/

離婚協議書書式集 | 離婚の相談はデイライト法律事務所
http://www.fukuoka-ricon-law.jp/syoshiki/rikonkyougisyo_syoshiki/

など、インターネットで検索すれば色々なサンプルが出てくるので、自分が使いやすそうなものを選んでみてくださいね。

公正証書による離婚契約

なるほど!

離婚協議書について調べていると、「公正証書」という言葉が出てくると思います。では、公正証書とはいったいどういったものなのでしょうか。

公正証書とは、離婚協議書との違い

公正証書とは、公証人が作成する公文書のことを言います。公正証書を作るためは、あらかじめ作った契約書を持って公証役場へ行きます。

公証人がその契約書をもとに公正証書の案をつくってメールなどで送ってくれるので、その確認をしてから、改めて公証役場へ行ってあなたと相手とで署名捺印をすれば完成です(署名押印は代理人にお願いしても大丈夫です)。

簡単に言えば、離婚に関する二人の間の契約を書面にしたものが離婚協議書で、離婚協議書を公正証書にして離婚することが公正証書による離婚契約です。

公正証書作成のメリット

公正証書は、公証人という公務員が作る書面のため、証明力の高い書類とされています。また、原本が公証役場に20年間保存されるため、契約書をなくしてしまうということがありません。

執行力の高さ

公正証書は、きちんとした書類で、紛失の危険がないというだけではありません。公正証書に「(相手が)債務を履行しないときは直ちに強制執行に服する」という言葉を書いておけば、もし相手が養育費などの支払いをしなくなった場合に、強制執行の申立てをすることができるんです。

これは、公文書である公正証書ならではのメリットで、普通に作った離婚協議書の場合は、裁判をしなければ強制執行は出来ません。裁判をすると、裁判のための費用だけでなく、時間もかかってしまいます。

公正証書をつかって強制執行をする場合は、まず、公正証書を作成した公証役場へ行って送達と執行文付与の申立てをします。送達の証明書と執行文付与をもらったら、その書類をもって裁判所に強制執行の申立てをすれば大丈夫です。

なお、公正証書をつかった強制執行は、お金を支払ってもらう場合に限られます。物を引き渡してほしいときや、家から出て行ってほしいときには使えないので注意してくださいね。

公正証書作成のデメリット

何かとメリットの多い公正証書ですが、実はデメリットもあるんです。そのデメリットとは、①作成時間がかかることと、①費用が高いことです。詳しくは以下でご紹介しますが、後悔しないように、デメリットも踏まえて選択してみてくださいね。

作成時間がかかる

先ほどご紹介した通り、公正証書を作るにはいくつものステップを踏む必要があります。そのため、どうしても完成まで時間がかかってしまうんです。

まず、離婚協議書を公証役場に持って行って公正証書案を作ってもらうのですが、この離婚協議書の内容が曖昧だったり、矛盾があったりすると、公証人から確認が入ることになります。そうすると一旦まとまったはずが再びもめることになりかねません。

また、確認が入らずに済んだとしても、公正証書案が出来上がるのを待たなくてはいけません。さらに署名押印するための日時をセッティングして、再び公証役場に出向かなければならないなど、スピーディーな離婚とはいかなくなってしまいます。

作成時間短縮のために、離婚協議書を専門家の手によって作り上げてもらうのもおすすめですよ。

費用が高い

離婚に関する公正証書の手数料は全国一律です。基本手数料は、①慰謝料や財産分与に関する取り決めの手数料と、②養育費に関する取り決めの手数料と、③年金分割の取り決めの手数料11000円を足したものになります。

支払総額が100万円までなら手数料は5000円ですが、支払総額が501万円から1000万円になると手数料が17000円になるなど、支払総額が増えるほど手数料も増えるようになっています。取り決めがない部分の手数料はかかりませんが、数万円は覚悟した方がよさそうです。

他に、公正証書の写し(正本・謄本)を貰う場合は、1枚につき250円がかかります。また、公証役場で保存する公正証書の原本について、その枚数が4枚を超える場合は、5枚目から、1枚当たり250円がかかることになっています。

まとめ

未来へ

離婚をするということは、人生における一大事ですよね。すぐに離婚届を出して結婚生活を終わらせたいという気持ちもよくわかります。でも、本当に充実した新生活を送るためには、禍根を残さないことも重要です。

しっかりと準備をして、お金や物の整理をした上で離婚すれば、新生活もぐっと楽になりますよ。あなたが納得できる離婚が出来ることを祈っています。


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