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高額な慰謝料請求をするために知っておくこと

信頼していた配偶者の浮気、暴力……。離婚に至る事情はさまざまですが、そのときに与えられたショックと屈辱は計り知れません。円満だと思っていた夫婦生活は音をたてて崩れ、今後はどうやって立ち直ればいいのか途方にくれてしまう方も多いかと思われます。

しかしだからこそ、被害者はこの不幸な出来事に目にみえるかたちで決着をつけるべきなのです。

慰謝料は、あなたの受けた苦痛を清算するためにあるのです。堂々と請求してください。その権利は法律が保障しています。法治国家において慰謝料というのは、じつに筋の通ったケジメの付け方なのです。

可能な限り高額の慰謝料を請求することは、なんら恥ずべきことではありません。額の多寡(たか)は、ちゃんと法のもとで決められているのです。

そこでこの記事では、あなたが受け取るべき慰謝料の額に関わる知識を紹介していきます。ぜひともこの記事を通して、冷静な目で慰謝料について考えていただければと思います。

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離婚慰謝料に関する基礎知識

まず、慰謝料を請求する行為は、民法709条「不法行為による損害賠償」で保障されています。慰謝料の請求は、相手の「不当な行為」によってあなたが諸々の「精神的苦痛」を受けた場合に可能となります。

わかりやすい例でいえば、浮気や家庭内暴力などが考えられるでしょう。請求条件については以下に示しますが、とにかくあなたが「精神的苦痛」をうけたという事実が重要だということをおぼえておいてください。

離婚慰謝料とは

離婚にはふたつのケースがあります。ひとつは、一方に問題があり、それが原因で離婚せざるをえなくなった場合です。それこそ、なんらかの理由であなたが妻(あるいは夫)から「精神的苦痛」を受けたのだとしたら、これに該当します。

当然、慰謝料支払いの義務は問題を抱えた側に生じることになります。またもうひとつには、協議離婚があります。こちらは双方が離婚に同意して、慰謝料の請求も協議によって決定するケースです。

気になるのは離婚の慰謝料の支払い期間ですが、法定で3年間と決まっています。

高額な慰謝料請求になりうる場合

基本的に慰謝料の額は、「①いかにそのひとが苦痛を受けたか②いかに相手が悪質か③離婚後いかに不利な状況に立たされるか」というもろもろの視点を鑑みてあがっていきます。

これをふまえて考えてみれば、合理的な理由(当然の理由)から慰謝料が高額になっていくことがわかります。以下にその条件を列記してみましょう。

知っておくべき大前提――どんな場合にも当てはまる高額条件

離婚の原因はさまざまで、その内容によってそれぞれの額の決め方があります。一方で、とにかく「離婚」という事実において適用される普遍的な「高額条件」があります。

①婚約期間

長ければ長いほど、離婚によって受けるあなたの苦痛度が高いと考えられます。積み重ねてきた歳月の重さは、そのまま慰謝料額に反映されるのです。

②請求相手の年収(職業・社会的地位)

しばしば、芸能人などが「億単位」の慰謝料を支払ったなんて話を耳にしますよね。じつはこれ、請求側がたんに“がめつい”のではなくて、ちゃんと法的な考えにのっとって決められた金額なのです。年収が億単位ならば、数百万の慰謝料では制裁的な意味が薄れてしまいます。だからその者の収入に応じて請求額が高まっていくのです。

③請求相手の年齢が高い

通例、離婚原因の相手の年齢が高ければ、離婚に際して果たすべき責任は重くなります。金銭的な安定度に由来しているのでしょう。

④養っていかなければならない子供がいる

夫婦関係の破綻は、社会的にもリスクを抱えてしまいます。なぜなら子供がいるからです。子供は社会の財産なのです。たとえ離婚しても、子どもを養うという責任を負わなければなりません。それゆえ養育費として慰謝料に上乗せされるというわけです。結果的に、請求額が高くなります。

……さて、ここから先は離婚の具体的な内容に迫っていきます。上記の①~④要件に加え、どんな事情から離婚に発展したのかということによって、さらに慰謝料請求額が上乗せされていくと考えればよいでしょう。

ケース1.浮気や不倫

夫婦の関係を破綻させる原因はさまざまですが、そのなかでも浮気や不倫はもっとも悪質であると考えられているようです。請求慰謝料額において、このケースがもっとも高額になりやすいです。

なぜなら、離婚後のあなたは浮気カップル双方に慰謝料を請求することができるからです。浮気を主導した側(そそのかした側)に200万、じっさいに不貞行為をはたらいた元・配偶者に100万というように。

浮気が原因の離婚は、さらにもろもろの「悪質」とみなされる条件と複合して請求額が上乗せされます。ポイントは、あなたの受ける「精神的苦痛」度に応じているということです。

⑤あなたを離婚させて不倫カップルで結ばれようとしていたなどの策略性があった

だれの目にみても明らかのように、計画的にあなたの幸福な生活を破綻させようという意図があります。これは当然のように高額な慰謝料が発生します。

⑥不貞行為の回数

不倫を重ねれば重ねるほど悪質とみなされます。「常習性」は配偶者にたいする不義理の罪深さを証明していますし、その事実を知ったときの苦痛度も計り知れません。よって高額請求の条件としてみなされます。

⑦不倫カップルが同棲していた

これもまた悪質です。同棲は、夫婦生活を偽る意志が相手にあることを意味します。

⑧不倫カップル間で妊娠・子供が存在する事実があった

これもまた容赦なく高額な慰謝料に発展するケースです。「子供をつくる」という社会的責任問題を引き起こしてもいるので、かなり悪質と考えられています。

⑨浮気を主導した側の責任

社会的地位を利用して不倫関係を強要した場合も慰謝料は高額になります。たとえば、妻が職場の上司に関係を強いられた場合などが考えられるでしょう。

⑩不貞行為を認めない or 約束を破った

これは、「反省」の意志がないとみなされます。とくに、いちどは「二度と浮気をしない」と誓ったにもかかわらず、ふたたび不貞をはたらいた場合、裏切られたあなたの精神的苦痛がかなりのものになると考えられます。それゆえ、慰謝料は高額になるのです。

⑪不倫によってあなたの夫婦生活が破綻した

かなり大事なポイントです。もしもあなたが配偶者を許し、今後も夫婦生活を続けてゆくというのなら、受け取る慰謝料はかなり減ってしまいます。なぜなら、不倫カップルの片方にしか請求できないからです。

しかし「離婚」をするなら話は変わってきます。それはあなたの円満な家庭が白紙に戻るということを意味しているからです。その場合、慰謝料は吊り上がります。

ケース2.家庭内暴力、人格攻撃

⑫暴力、暴言の頻度およびその期間

当然ですが、頻度の多さと期間の長さは、あなたが配偶者から受けた精神的苦痛度の高さを意味しています。よって慰謝料は高額を請求することができます。

⑬いわれのない暴力だった場合

そもそも、なぜ自分が配偶者からひどい仕打ちを受けねばならないのか、その理由がまったくわからない……じつは暴力を理由にした離婚のなかには、そんなケースがよくあてはまったりします。理不尽きわまりなく、加害者のあまりに身勝手なふるまいというわけで、慰謝料が高額になります。

⑭暴力や暴言によって障害を負う

もちろん「障害」というのは目にみえる外傷だけではありません。精神的なダメージなども考慮されています。悪質度は非常に高く、慰謝料は当然高額になります。ただし診断書によってそれを証明する必要があります。

ケース3.「悪意の遺棄」が認められる

「悪意の遺棄」というのは、一見難しい言葉ですが、要約すれば「そうなるとわかっていながら、配偶者を経済的に困窮させる」ということです。詳細は以下のようになります。

⑮収入がないのをわかっていながら、わざと経済的に困窮させる

たとえば専業主婦の妻に夫がお金をいっさいわたさないなら、それは「悪意の遺棄」とみなされます。また、別居してその後なんの援助も与えずほったらかしにする場合も同じく該当します。

⑯働かない、多額の借金をこしらえる

これもまた、配偶者を経済的に困窮させるケースだとわかります。ギャンブルにあけくれて借金をつくるなども、当然配偶者にたいする「悪意の遺棄」と考えられるでしょう。

ケース4.性生活に問題がある

端的にいえば、「セックスレス」です。円満な夫婦関係を築くためには、肉体的な結びつきがなににもまして重要と考えられています。よって、それを妨げてしまう場合、つまり「セックスレス」は、離婚および慰謝料請求の正当な理由として認められています。

⑰セックスレス期間が長い

最低でも3年以上レスが続いていると証明できれば、慰謝料が発生し、額もあがります。

⑱結婚してから一度もセックスをしていない

結婚生活の否定に等しいとみなされます。

⑲不倫相手とはセックスをしているのに、配偶者とはまったくしていない

これが悪質なケースであることは、自明ですね。不倫の慰謝料とあわせて請求できます。

いかがでしたでしょうか? 慰謝料の想定は、高額になる基本的なケース①~④に、それぞれのケースである⑤~⑲項目を鑑みればいいのです。相手に非があればあればあるほど、あなたの受けた精神的苦痛が大きければ大きいほど高額になる正当性が認められる、と考えればよいでしょう。

離婚慰謝料が発生しない場合

ただし気をつけねばならないのは、離婚をしたからといって、かならずしも「離婚慰謝料」を請求できるとは限らないということです。

まず考えられるのは、「責任の所在が不明瞭」であるということです。

「精神的苦痛」はたしかに慰謝料請求の根拠になります。しかし、あなたはそれを法的に承認されるかたちで証明せねばなりません。たとえばあなたが、夫との「性格の不一致」を理由に離婚を申し出て、結果的に夫も同意したとしましょう。

けれど、そこであなたが「夫と暮らしていくなかで精神的苦痛を受けた」と主張しても、慰謝料を請求できる運びになるのは難しいです。

なぜかというと、夫が暴力・暴言、「悪意のある遺棄」によってあなたに加虐したわけではないからです。それどころかむしろ、あなた自身にも問題がある可能性は否定できません。理由は簡単で、あなた自身も、夫に「精神的苦痛」を与えてしまっているかもしれないからです。

たんに“うまがあわない”だけでは、夫婦のどちらかに責任の所在を求めることができないのです。これとあわせて、慰謝料は配偶者との血縁との不仲を理由に請求することができません。

さらにもうひとつ、慰謝料が請求できないケースがあります。

それは「双方に問題がある」場合です。

あたりまえですが、慰謝料というのは、どちらか一方が謝罪をするべき立場にあり、お金というやり方でケジメをつけるための方法なのです。“どっちもどっち”のような状況では、慰謝料を支払うべき側を特定することができません。

慰謝料の相場

さきほども言ったように、浮気や不倫を原因に離婚する場合がもっとも慰謝料が高いとされています。だいたい最高で500万です。ただしこの金額は、あくまで一般的な平均収入を前提としています。

それ以外のケース、つまり「家庭内暴力」「悪意の遺棄」「セックスレス」に関する離婚の場合は100万から300万あたりで相場が決まります。

基本的に過去にあったケース(判例)を参考にするので、例外的に慰謝料金額が跳ね上がるというのは期待できません。

とはいえ、もしも請求相手の社会的・経済的地位が高いならば、もちろんそれに応じて慰謝料も跳ね上がります。言うなれば、「物価スライド」のようなものです。この場合では、億単位の慰謝料もじゅうぶんにありえる話になってきます。

一般的な収入の者ならば、最高で約500万。高額収入者ならば億単位。これが慰謝料の相場と考えてよいでしょう。極端ですが、まぎれもない事実です。

離婚慰謝料請求の流れ

①協議離婚

いちばんよいのは、まず離婚の当事者同士で話し合いをすることです。これを「協議離婚」と言います。離婚は離婚届を役所に提出するだけで成立するし、慰謝料の決定もこの時点で決定できます。日本においては、多くの人々がこの方法で決着がついています。

②離婚調停

かならずしも話し合いで決着がつくとはかぎりません。その場合、民事裁判として訴えるか、離婚調停を申し立てましょう。離婚と慰謝料請求の問題は、裁判所が仲立ちして話をすすめてくれます。

③離婚裁判

調停でも相手方が離婚に納得を示さないなら、いよいよ調停の域をこえて「裁判」にまで発展させねばなりません。相手が慰謝料の額に不満を抱いているケースが多くみられるので、当然この裁判で慰謝料も決着がつきます。ただしこれが「裁判」であるということをお忘れなく。ちゃんと脇を固めて臨まなければ、最悪負けてしまうこともあります。それが「裁判」なのです。

有効な証拠の集め方

①不倫

まず気をつけるべきことは、あなたの“探り”が配偶者に勘付かれないことです。気付かれてしまうと、相手も警戒して浮気行為をひそめてしまい、結果として証拠があがらなくなってしまいます。もちろん、興信所に依頼していることもバレてはなりません。

不倫の有効な証拠は、(1)三回以上ホテルに出入りしていること、(2)40分以上ホテルに滞在していること、(3)5回以上浮気相手の自宅に出入りしていることです。はっきり言ってしまうと、これを素人が単独でやるのは非常に難しいです。大人しくプロに任せたほうがいいでしょう。

ただし、あなたにもできることはあります。それは、浮気メールなどを写メして保存しておくことです。それもまた、慰謝料を請求するさいに、相手の“悪質さ”を証明する重要な材料になるはずです。

②DV

これは浮気の証拠よりも容易に入手できると思われます。暴力の証拠は「医師の診断書」や「警察・相談センターに相談した記録」があれば十分です。警察やセンターはあなたとのやりとりをきちんと記録しているので、裁判などで必要になったときはすぐに取り寄せることができます。

いわゆる「モラハラ」(言葉の暴力)は外傷として客観的証拠を残すことがなかなかできませんが、心療内科の診断書も有効です。また、レコーダーに記録しておくと、非常に強力な証拠になります。もちろん、警察や相談センターの記録も用意しておけばなお万全です。

③セックスレス

いったいどうやってセックスレスの証拠を用意するのかと戸惑うかもしれません。まずあなたがとりかかるべきなのは、日記を残すことです。どんなふうに拒否されたかなどを子細にわたって書き綴ってください。セックスの拒絶によってあなたが受けた精神的苦痛、思いの丈をしっかりと添えておくとよいでしょう。

それとあわせて、相手がセックスを拒否するじっさいの場面を録音しておいてください。するとその日記は、あなたの精神的ダメージを裏付ける重要な証拠になるはずです。

④悪意の遺棄

経済的な困窮を強いられたことを「悪意の遺棄」というわけですから、やはりなににもまして必要とされるのは、あなたが経済的に追い詰められていた証拠でしょう。銀行の振込記録は心強いです。また、あなたを置き去りに別居してしまった場合は、相手の居所を証明する物件情報を手に入れておくとよいです。あなたを見捨てる意志を伝える手紙やメールがあるなら、それを保存しておきましょう。

⑤その他――お金がなくてもプロに相談できる

最後に伝えたいのは、証拠集めが不安ならば迷わずプロに相談することです。たしかに相談料はかかりますが、最終的に慰謝料を確実にとれるならば、必要な経費だと考えることができるでしょう。

とはいえ、誰でも気軽に弁護士に相談できる経済的余裕があるとはかぎりません。とくに女性ならばなおのこと「相談料」はシリアスな問題です。しかしご安心を。日本には「弁護士扶助制度」というものがあります。これは、国が相談者に無利子・無担保で資金を貸し付けてくれる制度です。ホームページで調べればすぐに窓口に相談できますので、心配いりません。

ケース紹介

最後に、実在した慰謝料の判例を紹介しましょう。なにかと参考になるかと思います。

①慰謝料50万のケース

二人の子をもつ夫が部下の女性と半年のあいだ関係をもっていました。しかし、妻は離婚を申し立てず、夫の不義理を許していました。不倫は解消し、さらに、相手の女性はすでに職場を退職していました。この場合、会社を去るということがすでに女性にとってある種の制裁でもあると考えられ、結果として女性の慰謝料は50万円になりました。

②慰謝料100万のケース

結婚生活20年の夫は、2年間不倫をしていました。婚約期間が長い場合の不倫はかなり高額な慰謝料が発生するケースと考えられますが、現在も妻と同居していること、仕事を真面目にやって家庭にお金を入れていたことを鑑みて、不倫相手の女性が支払う慰謝料は100万円になりました。

③慰謝料が300万のケース

ある小学校の教師同士がなんと20年にわたって不倫をしていた。その間、すでに夫婦関係は破綻していましたし、もはや不倫をもちかけた側も定かではありませんでしたが、20年という長きにわたる「不貞行為」ゆえ、きわめて悪質であるとみなされ、結果的に300万の慰謝料が確定しました。

まとめ

いかがでしたでしょうか? あなたが精神的苦痛を受け、それを理由に離婚を決断したのなら、慰謝料の請求は当然の権利です。毅然として相手に請求しましょう。慰謝料は、金銭的な制裁という意味でも、目にみえるかたちでこの不幸な出来事に決着をつけるという意味でも、慰謝料は離婚する双方にとって重要なものなのです。

ちなみに、慰謝料のほかにもらえるお金があります。「財産分与」、「養育費」などです。それもあわせて、しっかりお金で決着をつけるように冷静な心でもって離婚にのぞんでください。離婚を後ろ向きに考えるよりは、あなたが新しい人生を踏み出すための儀式であると考えるほうがいいのかもしれません。慰謝料は、そのための準備資金なのです。


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