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人間関係の悩みを解決する「嫌われてもいい」という考えのメリットと注意点

累計発行部数135万部突破、異例の大ベストセラー『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社刊)は、アルフレッド・アドラーの「アドラー心理学」を対話形式で分かりやすく解説した自己啓発本です。この本を原案に、利重剛主演で舞台(2015)、そして香里奈主演でテレビドラマ(2017)も制作されました。

この本をきっかけに「嫌われる勇気」「嫌われてもいい」という思想が広まったのです。人間関係の悩み、見えないしがらみに巻き付かれ、精神的に身動きできなくなった人や他人の目を気にして生きてきた人たちから「目からウロコ」「こんな考え方があったのか!」という読者からの声が続出しました。

アドラーは「どうすれば人は幸せに生きて行けるか」というごくシンプルな考えが基本となっています。でも本のタイトルから推測すると「自分が幸せになるために人からどう思われてもいい、嫌われてもいい」といっているのでしょうか?まだ本を読んでいない方にもわかりやすく「アドラー心理学」をご説明します。

嫌われてもいい!?それがどういうことなのか、メリット、デメリットを踏まえて考えてみましょう。

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「アドラー心理学」産みの親、アルフレッド・アドラー

『嫌われる勇気』は心理学者・岸見一郎氏とライターの古賀史健氏が共著した自己啓発本で、累計135万部突破する大ベストセラー本となりました。日本のみならず、韓国でもベストセラー本になったそうです。

この本の元ネタとなった「アドラー心理学」とは一体どんなものなのでしょう。アドラー心理学とは、ユング、フロイトと並ぶ「心理学の3大巨頭」の一人と称されるオーストリア出身の精神科医・心理学者アルフレッド・アドラー(1870-1937)が考案した心理学です。フロイトの心理学とは多極的に位置すると称されています。

アドラーは「人は変われるのか」「幸せとは何か」「自由とは何か」「どうすれば幸せになれるか」という、人間の基本、本質について考えました。

「アドラー心理学」とは

フロイトは「イド」「エゴ」「スーパーエゴ」と人間の心を3つに分け、機械的に分類しましたがアドラーはそれに反し「個人は心と体は分けられないもの(Individual Psychology:個人心理学)」と考えました。「アドラー心理学」の特徴は…

・個人を1つとし、理性と感情、意識と無意識などの対立を認めない「全体論」
・その行動の原因を追及するのではなく目的を理解しようとるす「目的論」
・客観的な事実に対する個人の主観的認知を重視する「認知論」
・個人と相手との対人関係を理解しようとする「対人関係論」
・自分の行動は自分で決める「自己決定論」
・私たちは仲間である「共同体感覚」

アドラーは人間の心をカテゴライズし機械的に振り分けるのではなく、人それぞれの主観、行動を重視した心理学者です。

ではもう少しアドラー心理学についてご説明しましょう。

アドラー心理学:全体論

アドラーはフロイトのように人間を心と体、理性と感情、意識と無意識に分けて考えるのではなく、心と体は1つ(全体)、同じ目的に向かっている…と考えています。たとえば人には二面性があります。激昂しやすい時もあるし、心穏やかな時もある…一個人の中にある二面性は1つの目的に向かって行動しているのです。

アドラー心理学:目的論

アドラーが唱える「目的論」とは、自分で目的を設定し、主体的に決断して行動するという考え方です。言い換えると、どのような状況下においても、人は自分の都合のいいように選択し、解釈して行動しているということです。

アドラー心理学:認知論

十人十色という言葉があります。同じことを経験しても人それぞれどう感じるか異なりますよね。子どものころ、海でおぼれかけた人がみんな、泳ぎが苦手になるわけではありません。ではどうしてこのような違いが生じるのでしょう。

それは、経験した本人が過去の経験にもとづく「独自の解釈」や「意味づけ」をしているからです。その解釈の仕方、意味づけの仕方が個々で異なるため、同じことを経験しても、人それぞれ感じ方が違うのです。

アドラー心理学:対人関係論

アドラーは、人間の悩みとは全て「対人関係を前提」としていると考えています。幸せになりたい、お金持ちになりたい、恋人がほしい…などなど、それは自分以外の他の誰かと比べているからです。

もしこの世にあなた1人しかいなかったら、比較対象物がないので幸せになりたい、お金持ちになりたい、恋人がほしい…といった悩みを持つことはありません。対人関係に悩んでいる人は、少し自分と相手の距離を置き、俯瞰して見てはいかがでしょう。自分がどんなしがらみに苦しんでいたか、見えてくるかもしれません。

アドラー心理学:自己決定論

人は自分で選択し決断して行動をとります。誰かの影響だとしても、その影響を受けるという選択をし決断しているのはあなた自身なのです。誰かに言われてやったことで失敗したのでは納得できなくても、自分で判断し行動したと解釈すれば、たとえどんな結果になろうと、他者を責めることはありません。

アドラー心理学:共同体感覚

あなたと他の誰かは違って当たり前です。「認知論」で述べたとおり、人それぞれ受け方、感じ方は異なります。それを無理に他者と合わせる必要はありません。自分、そして他者の違いを受け入れることができれば、たとえ考え方に相違があっても、仲間意識を持つことができます。それこそが、アドラーが唱える「幸福」なのです。

なぜ「アドラー心理学」が人気なのか

「アドラー心理学」はいまなぜこんなにも人々に受け入れられているのでしょう。アドラーは「人間の悩みはすべて対人関係からくる」と言っています。つまり多くの人たちが人間関係に悩みを抱えているのです。

アドラーはその人間関係の悩みに囚われる必要がない、と述べています。それは現代社会に生きる私たちにとって、救いとなる一言だったのです。

「アドラー心理学」のメリットとは

職場や学校、またはママ友やご近所付き合いなど、人の生活にはあらゆるところで他者と関わらなければなりません。無人島で、たった1人で生活する以外、私たちは「社会」という共同体の中の一員として生きているのです。

その「社会」という共同体にはさまざまなルールがあります。著しく公共性の高い「法律」というルールから、地域特有の「ローカルルール」、また家庭内の「家訓」、学校の「校則」、会社の「社則」など、多かれ少なかれ人はさまざまなルールに縛られて生きています。

さらに「暗黙の了解」というやっかいなルールもあります。いわゆる「空気を読む」ことが得意な人、不得意な人とで格差が生じてしまうのです。空気を読むことが苦手な人は「生きづらさ」と感じてしまいます。

対人関係の悩み:人に認められたい

誰かに認められたいという思いを心理学用語で「承認欲求」といいます。これは誰しもが持つ欲求で特別なものではありません。なぜ認められたいと思うのでしょう?

人は他者から認められる、褒められることで自分の存在価値を見いだすからです。しかしアドラーは「承認欲求」に囚われてはいけないと述べています。

承認欲求を満たすために、「他者が理想とする人物像」になろうと無理をします。上司に認められたい、先生に認められたい、両親に認められたい、恋人に認められたい…その重いが強くなればなるほど、あなた自身の「自己」が薄れてしまうのです。そこにあなたの本当の「幸せ」はありません。

対人関係の悩み:人の評価はそれぞれ違う

他者の期待に応えようとする前に「この課題は自分のものか、他者のものか」を考えてみましょう。たとえば自分の夢を語ることは「自分の課題」ですが、それをどう評価するかは「他者の課題」です。

「他者の課題」には、あなたは立ち入ることはできません。つまり「承認を得られる」かどうかは「自分の課題」ではなく「他者の課題」なのです。「他者の課題」に踏み込みすぎると自己を失います。

平たく言えば「他人からどう思われようと、自分は自分」という気持ちを強く持つことです。これがいわゆる「嫌われる勇気」に繋がるのですね。

対人関係の悩み:自らの意思で動く「貢献」

承認してもらおうとすると、自分の意思とは別なところで頑張らなくてはなりません。しかし「貢献」しようと思うことは、自らの行動です。誰かに認めてもらいたい、という欲求を捨て「私は人の役に立っている」と実感できればそれで十分幸せなのです。「承認欲求」ではなく「貢献感」を満たすことは、あなたの存在価値を高めることでもあるのです。

「嫌われてもいい」という考え方のメリットとは

現代社会に生きる私たちは常に「人の目」を気にしています。常に「場の空気」を読むことを求められます。それが上手く出来る人は世渡り上手、上手く出来ない人は損をするのです。

では「嫌われてもいい」と割り切るとどのようなメリットが生じるのでしょう。

・人の目を気にしない
・煩わしい人間関係から解放される
・八方美人をしなくて済む
・自分らしさを取り戻せる
・人の意見に振り回されない

といったことが挙げられます。社会の一員として生きることは常に第三者の「目」、「評価」が気になります。それを気にしなくすれば自分らしく、伸び伸びとした生き方を取り戻すことができるのです。

「アドラー心理学」のデメリットとは

良いことづくしのようですが「アドラーの心理学」に対してNOと唱える人もいます。すべての人に「アドラー心理学」が適合するとは限らないのです。

ベストセラー本『嫌われる勇気』のなかで「承認欲求を否定せよ」と解いています。前述したように「課題の分離」をすることで他者の価値観に囚われていたあなたを解き放つことができるからです。

しかし、本当に「承認欲求」を否定してよいのでしょうか? 他者の評価があるからこそ、仕事や勉強を頑張ることができる、という人もいるはずです。

「嫌われてもいい」という考え方の注意点

人の目を気にしない、自分らしく生きる…聞こえはいいですが、そういう生き方をしている人は孤立していませんか? 社会に溶け込めない、みんなの輪に入れない…でもそんなことは気にしないで自分らしく生きる、ということなのです。

たとえば仕事において、他者の目を気にせず自分の思ったように仕事を進めていてはチームで行うプロジェクトに支障をきたします。ある程度の協調性がなければ、人間関係はもとより仕事もうまくいきません。

「嫌われてもいい」という考え方で注意しなければならないのは、「協調性を失わない」ことです。そういうと、前述した「アドラー心理学」と矛盾しているように聞こえますね。

実際、そうなのかもしれません。その矛盾をうまく解消できると、現代社会をうまく生き抜くためには「嫌われてもいい」と思うだけではダメなのかもしれません。

「嫌われてもいい」という考え方は孤立する

他者の意見に左右されず自分の生き方を貫く、ということは一見するとかっこいい生き方かもしれませんが、行きすぎると人の意見に耳を貸さない頑固者になってしまいます。

せっかく親切に声をかけてくれる人にも、自我を通して突っぱねてばかりいては、あなたの周りから友だちはいなくなってしまいます。

「嫌われてもいい」という考え方は自信過剰になる

自分らしさを強調しすぎると、他者からは自信過剰な人と見られてしまいます。自分の考え方、行動は正しいと思うあまり、それを人に押しつけようとすると、上から目線だったり、高圧的と捉えられてしまいがちです。

「アドラー心理学」を上手に取り入れる

人が2人以上集まればそこに「社会(コミュニティー)」が生まれます。その「社会」で生きるためには他者と協力し合ったり、協調し合わなければなりません。しかし、人間関係にはどうしても強弱が生じてしまいます。強い方が弱い方に自分の考えを押しつける、弱い方は強い方に従わなければならない…。このような人間関係は、大なり小なりどのコミュニティーにもあるのです。

常に人の「目」や「評価」ばかりを気にしているのはツライことです。本当の自分を見失い、惰性で生きるようになってしまいます。

だからこそ「アドラー心理学」を取り入れ、本来の自分を取り戻すことが必要なのです。しかし、それにもTPOがあります。すべてにおいて「嫌われてもいい」と自我を通すのではなく、自我を通すところ、他者と協調するところを上手く使い分けることができれば、きっと毎日の生活が楽しくなるはずです。

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